
ケトン体ダイエットはダイエット効果が高いと注目されています。ですが、正しい方法や仕組みを理解していない人も多いのではないでしょうか。
ケトン体ダイエットは糖質をカットするので糖質制限ダイエットと一緒になってしまっている人も多いかもしれませんが、どんな違いがあるのでしょう。
ケトン体ダイエットの仕組みや、糖質制限ダイエットとの違い、正しい方法について見ていきましょう。
ケトン体ダイエットとは?
ケトン体ダイエットとは簡単にいうと、脂質をエネルギーとして消費しなくてはいけない状態に体を追い込むダイエット方法です。ケトジェニックダイエットと呼ばれることもあります。
普段私たちの体はブドウ糖をエネルギーとしています。ですが、体内のブドウ糖がなくなったらおしまい、という訳ではありません。ブドウ糖が不足してくると脂肪を分解させるようになります。この時に発生するのがケトン体です。ケトン体はブドウ糖と同じように全身に運ばれエネルギーとして使われます。
つまり、
- 体のエネルギーになるのはブドウ糖
- ブドウ糖がなくなると脂肪を燃焼させてケトン体をエネルギーにする
というワケです。
ケトン体ダイエットは、ブドウ糖(糖質)の摂取を制限することによってケトン体を利用するために脂肪を燃焼させるダイエット方法ということになります。
糖質制限ダイエットとはどう違う?
ケトン体ダイエットは糖質制限をすることが重要です。糖質を制限するダイエット方法といえば糖質制限ダイエットがありますが、ケトン体ダイエットと糖質制限ダイエットはどう違うのでしょうか。
ケトン体ダイエットと糖質制限ダイエットは目的が異なります。
- ケトン体ダイエット:糖質を制限することで体内のブドウ糖を減らし、脂肪を燃焼させる。
- 糖質制限ダイエット:糖質を制限することで血糖値の上昇を抑え、インスリンの分泌を抑制し、太りにくい体にする。
ケトン体ダイエットは、ケトン体を発生させる状態まで体を追い込まなくてはいけないので、摂取していい糖質量に細かい決まりがあります。一方、糖質制限ダイエットは一食だけ糖質をカットするだけでも糖質制限ダイエットといいます。反対に、かなり厳しく糖質をカットしていれば結果的にケトン体ダイエットになっているということもあります。
どちらも明確な定義があるわけではありませんが、ケトン体ダイエットは糖質制限ダイエットの1種と考えてよいと思います。
血糖値の仕組みについて詳しくはこちら:
糖値を急上昇させないためには?糖質量だけでなくGI値もチェック!
ケトン体ダイエットの正しい方法

では、ケトン体ダイエットの正しい方法について見ていきましょう。ケトン体ダイエットの方法も諸説あると思いますが、日本機能性医学研究所所長の斎藤量三氏による正しい方法は以下の通りです。
- 糖質を1食20g以下に制限
- 1食約100gのたんぱく質食品を摂取する
- 食物繊維、ミネラルを摂取する
- 1日にオメガ3脂肪酸を小さじ1杯以上摂取する
糖質は1食20gなのでかなり少ないですね。米やパン、麺類以外にも糖質は含まれているので基本的に主食はカットしたほうがよさそうです。食品に含まれる糖質量はこちらを参考にしてみてください。
また、糖質を制限する代わりに、たんぱく質、食物繊維、ミネラルはしっかり摂取しなくてはいけません。ただ糖質を減らせばいいという訳ではないのでケトン体ダイエットのためにしっかりしたメニューを立てる必要があります。
タンパク質食品は100gということですが、同じ肉でもたんぱく質の含有量は異なります。例えば豚ロースを100gのたんぱく質の量は19.3gですが豚バラ肉は14.2gです。こちらを参考にたんぱく質の含有量が高い食品を選んでみてください。
食事だけでたんぱく質を摂取するのも難しいので、タンパク質の含有量の高いスピルリナのサプリメントなどを取り入れるのもおすすめです。
オメガ3脂肪酸は亜麻仁油やシソ油などに含まれていますが、こちらもそれだけで毎日摂取するのは難しい場合はサプリメントを利用してみてください。
ケトン体ダイエットの1日のメニューはこちらで紹介しています:
ケトン体ダイエットの食事メニューはどうやって決める?1日のレシピをご紹介!
食事の管理は大変ですが、この4つ以外の制限はありません。もちろん、カロリーをカットして運動もしたほうがダイエットの効率は良くなりますが無理のない範囲で行ってくださいね。
ケトン体ダイエットは体を飢餓状態に持っていくダイエット方法なのであまり長期間行うのはおすすめしません。糖質を極力カットするのは2週間~1カ月程度がいいといわれていますので、2週間を目安に実践しその後は少しずつ糖質量を増やしてみてください。
参照元:現代ビジネス
中鎖脂肪酸を摂取すると効果がアップ!?

ケトン体ダイエットには、中鎖脂肪酸を取り入れることで効率よくケトン体が作られるようになるといわれています。中鎖脂肪酸(MTCオイル)とはココナッツオイルなどに多く含まれる脂肪酸です。
中鎖脂肪酸を摂取すると、肝臓で分解されてケトン体を発生させます。この時点で発生するケトン体は体内の脂肪を燃焼してできた物ではありません。ですが一度ケトン体をエネルギーとして使用すると、中鎖脂肪酸がなくなった後もケトン体をエネルギーとして使用する可能性が高くなるんです。
つまり、本来はブドウ糖が消費されてからでないとケトン体をエネルギーとして使うことはありませんが、一度ケトン体を利用することで体内にブドウ糖が残っていても先にケトン体をエネルギーとして使う(脂肪燃焼させる)ことがあるというわけです。
とはいえ、体内に大量にブドウ糖がある場合はやはりブドウ糖から先にされてしまいます。ですから糖質制限が必要なくなる訳ではないのですが、効率よく脂肪燃焼できるようになるので取り入れるのがおすすめです。
ココナッツオイルには他にもダイエット効果がありますよ!
詳しくはこちら:
ココナッツオイルの効果!ダイエットの正しい方法は?
また、最近ではココナッツオイルの中から中鎖脂肪酸だけを抽出したものも販売されています。
楽天の販売ページはこちら
ただし、中鎖脂肪酸だけですので食物繊維やビタミンなども摂取したい人はココナッツオイルの方がよいですよ!
参照元:NCBI
まとめ
ケトン体ダイエットとは、体内の脂肪をエネルギーとして使用する状態に体を持っていくダイエット方法です。
体内に糖質が残っていると糖質がエネルギーとして使用されますので、糖質を制限する必要があります。1食だけ糖質を控えるだけでもOKな糖質制限ダイエットとは違い、毎食糖質量を抑える必要があります。
また、中鎖脂肪酸を取り入れると、ケトン体をエネルギーとして使用されやすくなるのでココナッツオイルやココナッツオイルから中鎖脂肪酸だけを抽出したMTCオイルを取り入れる人が多いです。
ケトン体ダイエットは効果的なダイエット方法ですが、やりすぎは危険だとも言われています。
ケトン体ダイエットの注意点についてはこちらをご覧ください:
ケトン体ダイエットはやりすぎ注意?考えられる危険性とは?